住まいと暮らし、相続に特化したFP会社  1級建築士事務所併設

開発が必要でない土地とは

 Bさんのこの土地の形状は、道路と接する長さは25mで奥行きが20mほどの地積が500m²の土地。Bさんの時間貸しの駐車場の土地は、ひょっとすると広大地評価が除外されてしまう「羊羹切りの土地」ともいえる。羊羹切りの土地とは土地を羊羹切るように区画分けすることである。広大地の定義である「開発をするとした場合に」該当するのかそれとも広大地の除外規定にある「羊羹切りの土地」であるのかが不明である。
 ここでこの土地が「開発を必要とする土地」なのかどうかの判断が問われるわけである。そこで、市役所の都市計画課で調べてみるとBさんの土地は、開発指導要綱では最低区画面積は100m²である。そこで、この土地を羊羹切りで区画をとると奥行き20m×間淵5mの土地となってしまう。これでは建物が建たないことになり、そんな土地はだれも買わないため経済的合理性が失われてしまうことになる。まともな区画にするためには開発をして道路を入れるしかないといえる。
 開発をするということになれば、この土地は広大地となる。もちろん、郊外の土地で最低区画面積200m²ということになれば羊羹切りということもでてくる。また、逆に都心の住宅地であれば、開発指導要綱の最低区画面積は60m²の場合が多いので、その場合には奥行き20m×間淵3mの極端に細長い土地になる。これは明らかに宅地とはいえず当然に開発が必要となり、経済的合理性がないということで羊羹切りは無理と判断できる。結論として、Bさんのこの土地は、「開発を必要とする土地」という判断で、広大地ということになる。