ねんきんにうす2008年10月25日
2008年10月25日 日本経済新聞
【戸別訪問2万人救済条件を緩和】5面
厚生年金の算定基準となる標準報酬月額の改ざんをめぐり、社会保険庁は改ざんされた疑いが強い約2万人の戸別訪問対象者について、一定の条件の下で社会保険事務所での記録訂正に応じる方針を明らかにしました。
被害者救済のペースを速める方針です。
【ねんきん特別便5割が未回答】5面
年金記録漏れの注意を喚起するために、すべての受給者と現役加入者に届ける「ねんきん特別便」で社会保険庁が9月までに発想した約7,781万人分のうち5割が未回答であることが分かりました。
特に現役加入者では未開等が7割弱に到達しています。
以前、社会保険庁の社会保険業務センターの相談窓口で私の被保険者記録照会をしました。相談員の方が親切に教えてくださるので、一度訪問してご自身の年金記録を見てみるといいと思います。
「ねんきん特別便」は学生納付特例の人にも通知されています。家族の元を離れて一人暮らししている学生には家族が注意してあげないと分からないかもしれません。
【株急落 企業年金に打撃】夕刊1面
株価の急落が企業年金の運用を悪化させています。運用利回りが下がり続けた場合、企業の年金積立の不足が拡大し、業績を下押しします。企業の年金対策が企業経営の緊急課題となってきています。
日本の会計基準では年金資産と引当金の合計額が退職給付債務を下回ると、その差額を積立不足として数年に分けて費用計上します。日本経済新聞社の集計では08年3月期末で上場企業の積立不足の総額が約7兆3100億円と前年度の3.6倍となっています。
さらに円高による外貨建て運用資産の目減りも企業年金に追い討ちをかけそうです。
確定給付年金は、給付する金額が決まっているので、企業の積立不足に対して会計基準が設けられています、一方確定拠出年金は、拠出する額が決まっていて、給付額は加入従業員の運用により変わる仕組みです。企業にとっては追加の拠出がない分計画が立てやすくなっています。
また、従業員にとっても個人口座による掛金管理ができ、万が一企業が倒産しても自己のお金は守られ、さらに「今いくら将来に使えるお金がたまっているのか」が見えるため、高齢期の生活設計も立てやすい利点があります。