東京杉並区の住宅地にあります茶道教室|雅庵教室

2013年 5月の茶道講座

 【利休百首】

乾きたる茶巾使いはば湯はすこしこぼし残してあしらふぞよき

 

置き合せ心をつけて見るぞかし袋は縫目畳目に置け

 

唐物の流入

 

会所・同朋衆(どうぼうしゅう)

 【利休百首】

乾きたる茶巾使いはば湯はすこしこぼし残してあしらふぞよき

 

茶巾の絞り加減は、自分で経験して一番拭きやすい加減を覚えておきましょう。

万が一急なお点前で、その加減がうまくいかなく、茶巾に湿りが少ない時は茶筅通しの湯を捨てるときに、すこし底に残しておいて、湿り気が茶巾にまわるようにして拭けばいいということを教えています。

しかし、本来はこんなことはあってはいけません。

お点前をするときは、自分で茶巾の絞り加減を確かめます。

もしもの場合の心得を教えられたものと理解したほうがいいでしょう。

 

 

置き合せ心をつけて見るぞかし袋は縫目畳目に置け

道具の置き合せに注意が必要なことを歌っています。点前中、この置き合わせは難しいものです。

運び点前で、水指を運び出して定座に据えるにしても、すこし向こうに行き過ぎたり、前よりになったりすると、点前がやりにくくなることがあります。

下の句は、濃茶の場合、茶入れ、茶杓、お仕覆を拝見に出します。仕覆は客の側から見て、形良く出すのは、初心者では難しいので、畳の目に合わせて置くようにしなさいと、注意しています。

 

 

 

唐物の流入

平安時代の平家政権は、積極的に中国との貿易に取り組みました。これを引き継ぐ鎌倉幕府も民間の自由貿易を黙認していたので、中国との貿易がより盛んになりました。

この時流入したのが唐物茶道具です。鎌倉では唐物を使った茶が流行していました。唐物は、禅僧寺院を媒介に各地へ広まったと考えられています。

この頃の茶を楽しむ場所は「会所(かいしょ)」という和歌や連歌など芸能の場として使われた場所があてられていました。

 

【会所・同朋衆(どうぼうしゅう)】

1401年足利義満は幕府の経済を安定させる目的で、明貿易を開始しました。その結果、良質な唐物が将軍家にもたらされるようになりました。唐物を多く利用したのは「会所」における飾り付けです。

会所に飾り付けを行ったのは、能阿弥など室町将軍の同朋衆でした。能阿弥とその一族は、座敷飾り・唐物保管・補修・評価などに従事し、茶の湯もその職掌のひとつでした。

同朋衆の茶は客前で点茶をするよりも、茶点所から別室の客へ運びだされていたようです。

 

 

 

● 参考文献

 

よくわかる茶道の歴史 谷端昭夫著 淡交社

利休百首 井口海仙著 綾村坦園書 淡交社 

 

雅庵裏千家茶道教室では、毎月茶道講座を実施しております。