2013年 6月の茶道講座
【利休百首】
●はこびだて水指おくは横畳二つ割りにて真ん中に置け
●茶入又茶筅のかねを良くも知れあとに残せる道具目当てに
【侘茶の創始者 珠光】
【利休百首】
●はこびだて水指おくは横畳二つ割りにて真ん中に置け
この歌は水指の位置を教えています。運びの時、炉の場合は畳の横幅を2つ割にしたその中央に置きます。前向こうは、16目の位置に置きます。
風炉の場合は、畳中央と右畳縁の中央と、釜鐶付に合わせます。
●茶入又茶筅のかねを良くも知れあとに残せる道具目当てに
茶入、棗を清めたときに正しい位置に置き次に茶杓、茶筅を定座に置きます。
茶筅通しをして、元の位置に置くときにずれたりすることがあるので、まだ動かしていない茶入、棗を目当てに置き合せ、茶入をとって茶を茶碗に入れ、茶入をもとに戻すときは、茶筅を目当てに置けば、始めの置き合わせと同じようになります。
【侘茶の創始者 珠光】
1467年応仁・文明の乱 85年山城国一揆 88年加賀の一向一揆
このような時代で、人々は精神の深化を遂げたと考えられます。
珠光の茶の湯の舞台は、今までの会所ではなく、能や連歌などの場としても使われていた「茶屋」でより詫びた風情をかもしだしていきました。
主客が同座する中で、新たな美意識によって選び出された茶道具が使われるようになりましたが、珠光の茶の湯は、利休などから後に作り上げられる侘茶と比べれば不徹底なものだったかもしれません。しかし、侘茶を求める珠光には幅広い後継者を得ることができたようです。
珠光の経歴は、奈良の人、称名寺に入ったが出家を嫌って上京し、京都三条に住み茶の湯を能阿弥から学んでいます。
一休宗純に参禅し、印可の証(悟りの証明)として圜悟克勤(えんごこくごん)の墨跡を与えられ、さらに茶禅一味を体得しました。墨跡は後に利休が入手しているようです。
● 参考文献
よくわかる茶道の歴史 谷端昭夫著 淡交社
利休百首 井口海仙著 綾村坦園書 淡交社
雅庵裏千家茶道教室では、毎月茶道講座を実施しております。